歌も、演技も、楽器演奏も、ダンスも、演出も、それ以外のものも、表現はみんな、
思い×技術×コンディション
です。
「俺の技術すごいだろう!」っていう思いで歌うと、聞いてる人は、「この人は技術を見せたくて歌ってるんだな」と感じます。
「お客さんを楽しませよう」と思って歌うと、聞いてる人は「自分を楽しませてくれようとしてる」と感じます。
これ、実はすごく繊細に相手に伝わります。
「お客さんを楽しませよう」と思って歌うのと、「楽しい」と思って歌うのでは、聞いてる人は受け止め方が違います。
どの思いが良いとか悪いとかではなく、どの思いがその場に適しているのか、で使い分ける必要があります。
例えば、熱狂的なファンだけ集めて自分の技術を披露するのであれば、「俺の技術すごいだろう!」は適してます。ファンはその人の技術に酔いしれたくて集まっているわけだから。でも、ミュージカルの舞台の上でそれをやっちゃったらダメ。
「お客さんを楽しませよう」という思いは、自分のライブやテーマパークのパフォーマンスには合ってるかも、コンセプトにもよるけど。
「楽しい」は、演技のひとつとして使えるかなってところ。
適した場所で適した思いを歌うのが大切。技術やコンディションはそれを増幅する役割です。思いがあっても技術がなかったら伝わらない。技術があってもコンディションがめちゃめちゃだったら発揮できない。
だから、思い×技術×コンディション。
基本になるのは「思い」です。