こんにちは、ミリオンシンガーアカデミーの金田眞義です。
あなたの歌唱力が練習なしに無意識に上がるとしたら、こんな嬉しいことはないですよね。
あなたが今日からいきなりトップシンガーのような歌唱力になる、という方法はありませんが、あなたのステップが無意識に上がり、理想の歌声に一歩近づく方法はあります。
それは、ライブやコンサート、ミュージカルを実際に観に行って、生の歌を聞くということです。
目次
生の歌って何がいいの?
生の歌を聞く機会は色々あります。友達と行くカラオケだって、一応生の歌ですね。
生の歌ならなんでも良いわけではありません。あなたの歌唱力をあげるものとあげないものは、例えばこんなものです。
あなたの歌唱力にプラスになる生の歌
生の歌の代表的なものに、ライブ、コンサート、ミュージカル、オペラ、オペレッタ、といったものがあります。
どんなものがあなたの歌唱力に影響するか、それは、あなたが「こんな風に歌いたい」と思う歌い方、表現の仕方をしているものです。
簡単に言えば、あなたが憧れるシンガーが出ているものです。
ですから、ミュージカル俳優を目指している人は、憧れのミュージカル俳優が出ている演目を観に行くのがいいですし、ジャズシンガーを目指してるなら、素敵なジャズの生演奏があるお店に行くのがいいですね。ロックシンガーを目指してるなら、大好きなロックを聞きに行けばそれでOKです。
あなたの歌唱力にプラスにならないもの
逆に、あなたの歌唱力にプラスにならないものはなんでしょうか?
まずは、上のものと逆のものです。好きでもないし憧れてもいない歌い方、表現の仕方をしているものです。
ロックシンガーを目指している人が、素晴らしいオペラを聞いても、いわゆるロックシンガーとしての歌唱力の向上に繋がるかというと、やっぱり効率は悪くなります。
もちろん、たとえ違うジャンルでも、共通した技術もあるので、何もプラスにならないというわけではありませんが、同じお金と時間を費やすなら、素晴らしいロックを聞いたほうがよりプラスになります。
あと、下手な人の生の歌も、プラスになりません。体を思いっきり強ばらせ、喉を絞めきって歌っているカラオケなどを聞いて、あなたの歌唱力が上がることはありません。
生の歌を聞くと何が起こるのか
要は、好きなジャンルの好きな歌を生で聞けばいいということ。
では、生の歌を聞くことで何が起こるのか。
主にふたつ、影響があります。
「自然に体がそのシンガーの歌い方を真似する」
「場の雰囲気を感じることで体が緩む」
自然に体がそのシンガーの歌い方を真似する
人は赤ちゃんのとき、親や周りの人たちの行動を模倣して、体の使い方を覚えますよね。
その模倣力は大人になると失われていくように思えますが、実はそんなことはありません。大人になっても、人を真似る力というのは十分に備わっています。
ただ、理性や知識、体験などが邪魔をして、それが十分に活かせていない状態になっているだけです。
その、理性や知識、体験といったブロックがなくなっているのが、「夢中になっている状態」です。
ライブやコンサートに夢中になっているときって、あーだこーだ考えることはありませんよね。「すごい」「楽しい」「面白い」「感動」といった気持ちでいっぱいで、色々考える余地がありません。
その状態だと、出演者の体の使い方を余計なブロックなしで模倣することができます。というより、無意識のうちにいつの間にかしています。
理想としているシンガーの歌に夢中になるだけで、そのシンガーの体の使い方を真似ることができます。
場の雰囲気を感じることで体が緩む
人は、五感を使って生活をしてます。
けれども、それぞれの感覚には、得手不得手、使いやすい使いにくい、の偏りがあり、バランスよく使っているわけではありません。
生の歌に没頭することで、その偏ったバランスを整わせることができます。
あまり使わずに鈍っている感覚は刺激によって活性化します。
使いすぎている感覚は、その他の感覚が活性化することで負担が減り休まります。
そうやって感覚のバランスが良くなると、体が自然の状態に戻っていきます。
自然の状態とは、体の強ばりがなくなり緩んでいる状態なので、当然、歌にも影響します。
さらに歌唱力をあげるコツ
この方法で効率よく歌唱力をあげるには、ふたつのポイントがあります。
それはこれです。
「夢中になること」
「寝る前に練習すること」
夢中になること
先ほどもお伝えしたとおり、理性や知識や自身の体験などは、模倣の妨げになります。
ですから、それが発動しないことが一番大事です。
「あの人はどんな歌い方をしているんだろう?」
「どんな体の使い方をしたらあんな声が出るんだろう?」
こういった思いはひとまず置いておいて、
「いいなぁ」
「キレイな声だなぁ」
「感動的だなぁ」
と、感じていることをそのまま素直に体に染み込ませるような気持ちで観賞してください。
それがひとつめのポイントです。
寝る前に練習する
ライブやコンサートが終わったあと、自分の体の感覚が違うことに気づくでしょう。けれどもそれは、時間が経ったり、一晩寝たりすれば、すぐに消えてしまいます。
その前に練習して、体に落とし込む必要があります。
夜の公演のあと、もう遅いからといってそのまま寝てしまってはもったいないですよ。
せっかくいつもの自分の枠から外れて、ひとつステップをあがった自分になっているわけですから、そこで練習してしっかりと身に付けましょう。
そのときの注意点は、いつもの自分とどこがどう違うのかを感じながら練習することです。
この練習は、うまく歌うための練習ではなく、普段の自分とは違う自分を体験することで、知らない世界を知り、自分の可能性を広げるための練習です。
無理に歌うのではなく、「ああ、こんな体の使い方があるんだ」というのを実感しながら練習してみてください。
まとめ
無意識に歌がうまくなるなんて、と思ったかもしれませんが、トップシンガーの歌を実際に聞く、というのは、トレーニングとして成立する方法です。
ですから、自分が歌うことばかりを考えず、歌うのはやめて体で感じながら聞く、ということも意識してみてくださいね。
ライブやオペラ、ミュージカルなど、生の歌を夢中になって聞き、聞き終わったら練習する。
それだけで、あなたの声はどんどん変わっていきますよ。